【元】宴会☆部長のらくがき

ただの落書きです!気にしないで。

俺のメディアリテラシー

メディアリテラシーってのは、新聞、TV、ネット等々の情報を使いこなしたり読み取ったりする能力のこと。新聞やTVの情報を間に受ける人はこの能力が低い。自分の個人情報を影響を考えないでネットに公開しちゃったりする人も低いってことになろうかと思う。
例えば、今日のヤフートップページのニュース欄に毎日新聞の以下のような記事が出てた。

ソフトバンク買収:携帯業界は2強時代から3強時代に突入
 ソフトバンクによるボーダフォン日本法人の買収が決まったことで、携帯電話業界はNTTドコモ、KDDI(au)の2強時代から、ソフトバンクを加えた3強時代に突入する。傘下のヤフーを軸とした豊富なコンテンツ(情報内容)を持つ強力な企業の出現で、携帯業界の競争激化は必至だが、利用者にとっては「世界一高い」と言われる通話料の引き下げも期待できそうだ。
 ◇利用者、通話料引き下げに期待?
 今年2月末の携帯各社の契約者は、ドコモ約5000万人、KDDIのau約2200万人、ボーダフォン約1500万人。auがドコモを急追しており、ボーダフォンは「1弱」状態だった。
 ソフトバンクは昨年秋に携帯事業の新規参入が認められ、来年春からの事業開始が予定されていた。ボーダフォンの買収によって、基地局など通信設備をゼロから整備する必要がなくなり、孫正義ソフトバンク社長は「はるかに大きな基盤からスタートできる」と自賛した。
 携帯電話をめぐっては、11月に、携帯会社を変えても電話番号が変わらない「番号ポータビリティー制度」が導入される。これを機に、携帯会社間の競争が激しくなると見られていたが、ソフトバンクの早期参入で一足早く競争に突入することになりそうだ。
 ソフトバンクはADSL(非対称デジタル加入者線)事業に参入した際、接続料金を大幅値下げする「価格破壊戦略」で利用者を増やした。携帯業界にも同様の手法を用いれば、ドコモやKDDIも料金競争から逃げられない。
 迎え撃つドコモやKDDIは「今までも競争している」と表向きは冷静だ。携帯業界では「買収資金の金利負担が大きく、むちゃな料金値下げはできない」との見方もあるものの、「競争環境が厳しくなるのは間違いない」とソフトバンクへの警戒が強まっている。【望月靖祥】
 ◆携帯電話各社とソフトバンクの企業規模◆
       売上高    営業利益 携帯契約者数
NTTドコモ 4兆8446 7841 5065万人
KDDI   2兆9200 2961 2496万人
ボーダフォン 1兆4700 1580 1514万人
ソフトバンク   8370 ▼253   −−
(注)05年3月期連結決算の数字で、売上高と営業利益の単位は億円、▼はマイナス。契約者数は06年2月末時点で、KDDIはauとツーカーの合計
毎日新聞 2006年3月17日 21時25分 (最終更新時間 3月17日 21時37分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20060318k0000m020119000c.htmlより

これを読んでどう受け取るのだろうか?記事の要旨としては「ソフトバンクが参入することで、日本の携帯電話業界が激戦になる。」ということだろうけど、これをそのまま鵜呑みにしてしまう人はリテラシーが低いかもしれん。毎日新聞を絶対的信頼感の元に読めばそうだろうけど。
では俺はどう読んだかというと、
「2強から3強へ」と書いてあるが根拠に乏しい。ソフトバンクは単純な新規参入よりも遥かに有利なスタートとなるけど、落ち目のボーダフォンを必ず立ち直らせることができるのか不明?また、ソフトバンクがドコモのシェアをぶん取れば3強だが、auのシェアを奪うだけならやっぱり「2強」になってしまう。
「ヤフーがあるから携帯業界の競争激化は必至」は、そうかもしれないし、携帯へどんなコンテンツが提供できるかにもよるし、PC向けのコンテンツはそのまま使えないからどうだろうねぇ。
「接続料金を大幅値下げする「価格破壊戦略」」はやならないんじゃないか?ADSLモデム配りまくった成果はやっと投資の回収に入った段階で回収まで2〜3年はかかりそうだし、今回の買収資金の負担もあるしで、ADSLと同様のことはやらないんじゃないか?ドコモよりは下げるにしても、auと比べるとどうだろう?
「11月から番号ポータビリティー始まる」ので、その前に手を打っておかないと他社に顧客が流れてしまうかもしれない。メアドが移行できないので、どれだけ乗り換え需要があるのかは正直わからんが。
「迎え撃つドコモやKDDIは「今までも競争している」」ってのはその通り。ソフトバンクボーダフォンより強敵っぽいがね。
「携帯電話各社とソフトバンクの企業規模」の表が載ってるけど、記事内容を補強するものでない。ソフトバンク日本テレコムやらヤフーやらを含む連結決算で売上8,370億円でボーダフォンと足して2兆3,070億円。ドコモは単体なら4兆8446億円だけど、NTTグループの連結なら10兆8,059億円にもなる。売上規模で比較したなら圧倒的にNTTが上(元々が独占で公社やってたから当たり前といえるけど)。しかもソフトバンクの営業利益は赤字。黒字化と言ってるけど有利子負債が多いから夏以降の利上げはマイナス要因だよな。
俺はこんな感じで読んだわけでございます。ああ、提灯記事か。しかもヤフーのトップページだよ、と。これ読んで月曜日にヤフー株を買う奴いるんだろうな、と思ったりもするわけですよ。
別に提灯記事が悪いってことを言いたいんじゃなくて、記事でも番組でも、事実と解釈は分離して受け止め、受け止める自分の主観も認識する必要があるってことが言いたいんだよね。伝えられる事実も取捨選択されてるし、その解釈はどんなに客観性を持たせても発せられる人間・組織の主観が含まれる。しかも受け取るこっち側にも主観が入り込みまくりとなるので、そもそもの発生した事象がそのまま伝わるかどうかってのは非常に困難な場合が往々にしてあるのではないだろうか。
だから、こそ新聞やTVやネットやらで誰かが何かを言ってることに対して「本当か?」「何を伝えたいのか?」と疑ってかかる姿勢こそがメディアリテラシーの基本なんじゃないだろうか。blogで便利な鍋を紹介してたらアファリエイトで稼ごうとしてるんじゃないか→その鍋は本当に自分にとって良い物なのか?とか、新サービス開始!とか大幅値下げ!とかいう広告は、元々やってたサービスとか見た目の料金体系いじっただけじゃねぇの?とかいう視点で見るべきなんじゃないかね。
と、ここまで書いたところでディーラーが来た。オチもなくこのまま放置プレイで今日の更新は終わり。